【高級珍味】自家製カラスミの作り方(後編)塩抜き/酒漬け/干し方の工程

自家製カラスミの作り方

 

★記事は【高級珍味】自家製カラスミの作り方(前編)血抜き/塩漬けの工程からの続きです。

 

こんにちはたかっぽです。

このぺージを開いていただいてありがとうございます。

 

自家製カラスミの作り方(前編)血抜き/塩漬けの工程に続き(後編)は、塩抜き/酒漬け/干し方の工程へと進みます。

 

この記事ではボラの卵巣(真子)で基本的なカラスミの作り方を紹介していますが、ボラの他にも鰆(さわや)・鯛・マグロ・タラ・さばなどの卵巣を用いてカラスミを作ることが出来ます。

 

もしボラの真子が手に入らなかったときはこちらの方を利用してみるのも一つの方法です。

 

値段もぐんと安いし、とくに初心者の方は安心して練習することが出来ますよ。

 

作る工程は一緒なのでひとつチャレンジしてみてはどうですか?

 

それでは自家製カラスミの作り方(後編)へと参りましょう!

 

目次

自家製カラスミの作り方/塩抜き/酒漬け/干し方の工程

自家製カラスミの作り方

<画像は干してから10日経ったカラスミ。中の方がまだ不十分なのでもう少しかな?>

 

ボラの真子の塩漬けから1週間がたちました。

 

ここからは塩抜き→酒漬け→干し方の工程へと進みます。

 

カラスミ」は「ウニ(塩ウニ)」「ナマコ(このわた)」と並んで日本三大珍味のひとつです。

 

その三大珍味の中でもカラスミは仕上がるまでに、最も手間と時間がかかる珍味です。

 

作業そのものは単純なんですが、何しろ5つの工程を一つひとつクリアしていかなければならないので、初めて作る人はうんざりするかもしれません。

 

ですが、あきらめないでください。もうひと踏ん張りです!

 

どうか頑張って美味しいカラスミを完成させましょう。

 

では塩抜きの作業から始めます。

 

【3】:塩抜き/薄い塩水を作り塩分を抜く

 

<塩抜きの作業は次のとおり>

 

①:1週間塩漬けした真子を取り出し余分な塩はとり除く。

自家製カラスミの作り方

塩漬けの真子を取り出し余分な塩は取りのぞきましょう。ご覧のように真子の水分が完全に抜けコチコチになっています。このような状態になればOKです。

 

②:真子についた塩はきれいに洗い流す

自家製カラスミの作り方

真子について塩はきれいに洗いしましょう。少しデコボコになっていますが、大丈夫ですよ。

 

③:バット(又はタッパ)にうすい塩水を作り真子を6時間浸す。

自家製カラスミの作り方

バット(又はタッパ)に薄い塩水を作り真子を6時間ほど浸します。

うすい塩水(呼び塩)は数の子の塩分を抜く方法と同じですね。塩分の割合は水1ℓに対して塩小さじ1の割合です。(※分量に合わせて作ってください)

6時間浸しますが、3時間経ったら水は取り換えましょう。

 

④:時間が来たら真子をザルにあげ水分を拭きとる。

自家製カラスミの作り方

6時間浸すとふやけた状態になります。中はまだ芯が残りますが心配いりません。次の酒漬けの段階で完全になりますので…。

水分はキッチンペーパーなどで拭き取っておきましょう。

次は酒漬けです。

 

【4】:酒漬け/日本酒に1週間漬け込む

 

酒漬けにはいろいろなパターンがあります。

焼酎だけで漬け込む方法。焼酎と酒を半々にする方法などです。

僕は酒だけにしていますが、自分の好みに合わせて作っても一向にかまいません。

 

<作業工程は次のとおり>

 

①:タッパに真子を入れ酒を流し込む。

自家製カラスミの作り方

タッパに真子を入れ酒を流し入れます。真子の表面が出ないよう、しっかりつかるまで酒を入れてくださいね。

 

②:酒に浸かった真子はタッパの蓋をして冷蔵庫に入れ一週間寝かせる

自家製カラスミの作り方

酒漬けにした真子はタッパの蓋をして冷蔵庫に入れ一周間寝かせます。そのままじっくり待ちましょうね。(写真は一週間たった状態の真子)

 

③:一周間たったら酒をキッチンペーパーで拭き取りバットに並べ、上からクッキングペーパー(キッチンペーパー)を被せる。

自家製カラスミの作り方 自家製カラスミの作り方

一週間経ったら酒をキッチンペーパーでで拭き取りバットに並べます。そして上からクッキングペーパー(キッチンペーパーで)をかぶせ重しをする準備をします。

 

④:③の準備が出来たら重しをして冷蔵庫に入れ一晩置く。

自家製カラスミの作り方 自家製カラスミの作り方

僕は同じ大きさのバットを上に置き、重しは鉄アレイ(2㎏)を置きました。

冷蔵庫に入れ一晩置くと、ご覧のようにきれいな形が出来ています。

 

【5】:干し方/昼は天日干し、夜は室内または冷蔵庫に保存

 

いよいよ最終段階です。用意するものは干し網です。

昼間は天日干し、そして夜は室内に取り入れる。

またはラップなどして冷蔵庫に保存します。

 

<作業工程は次のとおり>

 

①:干し網にクッキングペーパー(巻きすでもOK)を敷き真子を並べる

自家製カラスミの作り方

干し網にクッキングペーパー(巻きすでもOK)を敷き真子を並べます。バットに真子を並べ、そのまま干し網に入れても構いません。

 

②:①ができたら干し網を外に出して天日干し、夜は室内又は冷蔵庫に保存。

自家製カラスミの作り方

風通しの良い場所を選んで真子を天日干しにします。干しムラを作らないよう一日1回は表と裏を返してください。日が沈んだら室内または冷蔵庫に保存しましょう。

このときも重しをすると形がきれいになります。

 

③:10日ほど経つとやや回りが硬くなってくる。

自家製カラスミの作り方 自家製カラスミの作り方

10日ほど経つと回りが硬くなってきます。中はまだ柔らさが残っていますのでそのつど酒を塗り、表と裏を返しながら気長に乾燥させていきましょう。

 

④:2週間が経ち指で押さえて真子の芯が硬くなっていればカラスミ完成です。

自家製カラスミの作り方

カラスミは大きさによって異なりますが、干し始めてだいたい2週間ぐらいすると芯まで硬くなっているのがわかります。指で押さえて硬くなっていれば完成です。

※カラスミに白い粉のようなものがつく場合があります。これはアミノ酸なので心配いりません。

 

🔷:カラスミを外に干すときの注意点!

 

カラスミを外に干すときは「ネコ」や「烏(からす)」にはくれぐれも注意してください。

 

彼らをなめてはいけません。

 

なぜなら彼らは何をしてくるか予想がつかないからです。

 

実際僕は「にくたらしいドラネコ」にガッツリやられた経験があります。

 

あるとき、干し網を軒下につるしてカラスミを干していました。

 

高さは充分だと思っていたのですが、横にあるエアコンの室外機までは計算していなかった…。

 

とはいえ、室外機から干し網まで1m30㎝くらいは離れていたんですよ。

 

でも敵(どらネコ)はそこからジャンプして干し網に飛びつき中のカラスミをバラバラに…。

 

異変に気付いてコラァ~!と怒鳴って追っ払ったもののあとのまつり。みるも無惨な状態が…。

 

網はツメで破かれ、完成間近だったカラスミはぐちゃっぐちゃ。「くっそうおお~涙…涙…

 

烏(からす)の被害は経験していませんが、とにかく彼らをなめてはいけません。

 

カラスミを外に干すときはくれぐれもご注意を‼

 

また天候にも気をつけてください。雨が降りそうな時は外にだすのはやめましょう。

 

湿気の多いときも外はだめです。湿気もカラスミの敵ですからね。

 

以上、カラスミを外に干すときの注意点です。

 

【高級珍味】自家製カラスミの作り方:完成品

▼完成品はこちら▼

自家製カラスミの作り方

 

おつかれさまでした!

やっとカラスミが完成しましたね。

食べ方は一般的には大根を薄切りにしてはさんで食べる方法や、パスタなどに利用されています。

ほっかほっかのご飯の上にきざみ大葉をちらし、焼きカラスミとワサビを添え、ちょう贅沢なお茶漬けなんかもいいですね。

あとは自家製でつくったカラスミを、「俺の作ったカラスミは旨いぞ‼」ってど~んと仲間に自慢してくださいね。

 

また通販でカラスミを購入したい方は325年にも及ぶ歴史ある老舗、高野屋のカラスミ を僕はおススメしています。

ぜひご覧になってください。

 

□:カラスミの名前の由来は「唐」の「墨」にそっくりだったから?

 

カラスミの名前の由来は「」の「」にそっくりだったから…と言われています。

 

当時中国のことを「⦅から」と呼んでいました。

 

その「唐(カラ)」の「墨(スミ)」に色や形がよく似ていたことから「カラ→スミ(カラスミ)」と名付けられたとされています。

 

また一説には豊臣秀吉が肥前名護屋城(現在の佐賀県唐津市)を訪れたとき、長崎代官(鍋島信正)がこの食品を献上した際、今まで口にしたことのない珍味に「これはなんじゃぁ?」と秀吉に聞かれ信正はとっさに「カ…カラスミ」でございます…と答えたことに由来する…とも言われています。

 

昔は現代のような冷凍保存の技術はなく、常温で熟成させていたため日にちが経つと黒くなり、色も形も「唐の墨」みたいになっていたんだそーです。

 

という訳で、カラスミの名前の由来は「唐(カラ)」の「墨(スミ)」にそっくりだったから…でした!

 

 

最後まで閲覧していただいてありがとうございました。