こんにちはたかっぽです。
このページを開いていただいてありがとうございます。
鰆(さわら)はぶり同様出世魚です。
出世魚とはその魚が成長するにつれ段階的に呼び名が変わる魚のことを言います。
鰆は「サゴシ→ヤナギ→サワラ」と呼び名が変わり、成長するにつれ味も深くなる。
おせち料理では立身出世を意味し、めでたい魚として重宝されています。
また鰆は不思議な魚で地域によって旬が春と冬に分かれます。
つまり一年で旬が2回もある?…というのです。
例えば関東地方では秋から2月頃(冬)が旬で寒鰆として親しまれ、関西地方では3月から5月(春)を旬とし、春鰆を好む。
たしかに鰆は春に多く捕獲されることから春を告げる魚と言われ、魚に春と書きますが、脂がしっかりのっていて美味しいのは冬の時期。
関東地方が寒鰆(かんさわら)を好むのはこのへんにあるのでは…。
さて今回は柚子を使った鰆の幽庵焼きです。
幽庵焼きは「酒・しょうゆ・みりん」を同割にした幽庵地(調味液)に魚の切り身、ゆずのしぼり汁と輪切り、これを一緒に漬け込み焼き上げた料理です。
さわやかなゆずの香りと上品な味はまさに絶品!
ぜひおせちの焼き物として鰆の幽庵焼きを作ってみてください。
目次
【おせち料理】鰆の幽庵焼きの作り方
今回はスーパーでも簡単に手に入る「鰆の切り身」を使って幽庵焼きを作ります。
★幽庵焼きは「酒:1みりん:1しょう油:1」が基本の調味液(幽庵地)ですが、僕はしょう油を「濃い口と薄口を半々にして:1」としています。
🔷:鰆の幽庵焼き:レシピ~手順
<材料:2人前>
- 鰆の切り身・・・・・・2枚(70~80g×2枚)
- 塩・・・・・・・・・・少々(下ごしらえ用)
<幽庵地>
- 酒・・・・・・・・・・80㏄
- みりん・・・・・・・・80㏄
- 濃い口しょう油・・・・40㏄
- 薄口しょう油・・・・・40㏄
- ゆずのしぼり汁・・・・適量
- ゆずの輪切り・・・・・2枚
<添え物>
大根おろし・・・・・・・・適量
(ゆずのしぼり汁とゆずの皮を刻んで和えたもの)
□:「魚焼きの予備知識」魚の身がアミにくっつく原因と予防方法
魚をグリルで焼くとき、アミに身がくっついてバラバラになってしまったという経験はありませんか?
実は魚を焼くときアミにくっつくのは「熱凝着」という現象が原因なんです。
魚や肉などの動物性タンパク質は50度以上の温度になると、鉄やステンレスの金属と化学反応しやすくなり、そのためくっついてしまう事が起きるのです。
この現象を「熱凝着(ねつぎょうちゃく)」と言います。
ではどうすればアミにくっつかないように出来るのか?
大切なことなのでその予防方法を知っておきましょう。
せっかくの「幽庵焼き」がバラバラになっては「たまらん」ですからね。
魚がアミにくっつかないようにするには、焼く前に「酢もしくは油」を塗っておくことです。
そうすればくっつくのを防ぐことが出来ます。
なぜ「酢や油」を塗ると効果があるのかというと、魚や肉のタンパク質が金属に反応しにくくなるからです。そのため熱凝着が発生しないという訳です。
またアミが冷たいままだとくっつきやすいので、予め温めておくのも予防につながります。
魚がアミにくっついてお困りの方は是非実践してみてください。
※:ちなみに酢のニオイは熱ですぐ消えますので具材に影響はありません。
というわけで作り方の工程に入っていきます。
🔷:手順は次のとおり
①:鰆の切り身に軽く塩をふり20分ほど置き、水洗いして水分を拭きとる。
塩をすることで魚の生臭みが水分となって出てきます。出てきた水分は軽く水洗いして水分を拭き取りましょう。この作業は幽庵地に漬けこむ前の大切なポイントです。
②:タッパに切り身、幽庵地と柚子のしぼり汁ゆずの輪切りを入れ30分漬け込む。漬け汁は少し残しておく。
①が出来たらタッパに鰆の切り身を入れ幽庵地を注ぎ、柚子のしぼり汁と輪切りも加え30分ほど漬け込む。漬け汁は焼きの仕上がりに使うので少し残しておきましょう。
③:②が出来たら切り身をキッチンペーパーなどで汁気を拭きグリルに乗せ両面をこんがり焼く。
切り身がアミにくっつく場合は先ほど述べたように「酢もしくは油」を塗っておきましょう。この作業をしておくと熱凝着が発生しにくくなります。火は強火で焼かないようにしてください。
④:切り身にほぼ火が通ったら残しておいた幽庵地をハケでひと塗りする。
切り身にほぼ火が通ったらハケかスプーンを使って残しておいた幽庵地をひと塗りします。そのあともう一度軽く焼いて完成です。
皮は焦げやすいので皮の所にアルミホイルをかぶせると焦げを防ぐことが出来ます。
⑤:焼きあがったら器に盛り、大根おろしを添えて完成。
大根おろしにはゆずの皮を細く刻み、ゆずのしぼり汁も加えて和えます。
大根おろしは水分をしっかり切ってからゆずのしぼり汁と皮を和えてくださいね。
【おせち料理】鰆の幽庵焼き:完成品
▼完成品はこちら▼
鰆の幽庵焼きがきれいに仕上がりました。
大根おろしも一緒につけて食べてください。
ゆずの皮の細切りと柚子のしぼり汁で和えた大根おろしは何とも言えないさわやかな香りがして最高ですよ!
また同じおせち料理の焼き物「ぶりの照り焼き/フライパンで作る簡単レシピ」も紹介していますのでどうぞこちらもご覧になってください。
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🔶:幽庵焼きの名前の由来は茶人からきていた?
幽庵焼きの名前の由来は茶人の北村柚庵(堅田幽庵)からきています。
幽庵焼きは江戸中期、茶人で美食家でもあった北村裕庵によって考案された調理法と伝えられています。
北村裕庵(堅田幽庵)は近江の国(現在の滋賀県)大津市堅田の豪農に生まれた人。
元来味覚が非常に優れていたという。
その茶人であった「幽庵」が酒・みりん・しょう油を合わせ、それに柚子を使った焼き物を考案したと伝えられています。。
「幽庵焼き」の名前の由来はそこからきています。
また調味液(幽庵地)に柚子を用いたこともあり、「柚庵焼き」という字をあてることもあり、他に北村裕庵にちなんで「裕庵焼き」という呼び名もあります。
いずれにせよ幽庵焼きの名前の由来は茶人であった北村裕庵(堅田幽庵)からきているということです。
<補足>
幽庵焼きはどこの家庭でもある「酒・しょう油・みりん」この3つが揃えば簡単に作ることが出来ます。
幽庵地に漬けこむ柑橘類はゆずに限らずスダチやカボス、レモンでもOK。
とくに決まりはありません。
魚も今回使用した鰆(さわら)からブリ・アマダイ・マナガツオ・鮭・さばなどの切り身、また鶏肉でもおいしい幽庵焼きが作れます。
まだ幽庵焼きを作ったことがない方は是非チャレンジしてみてください。
というわけで今回は以上です。
今回はおせち料理の焼き物として鰆の幽庵焼きを作ります。