こんにちは、たかっぽです!
今回は散骨についての話です。
このような方に向けて話します。
まさにこの記事を書いてる最中、NHKテレビドラマ「群青領域」で散骨をするシーンがありました。
故人の希望をかなえるため岸壁へ行き、「遺灰」を海に撒く一場面です。近年は、映画やテレビドラマだけでなく書店などでも「散骨」という文字が目に入ってきます。
このように、自然葬の一種である「散骨」は、もう特別な供養方法ではなく、一般的に行われる時代になりつつあります。
そこには、現代の社会情勢が影響している関係もあり、新しい供養方法として「散骨や樹木葬」といった「自然葬」が増えていると言うわけです。
今回は、なぜ「散骨を希望する方」が増えつつあるのか、そのわけとはいったい何か?
また、散骨を行う時の方法や、メリット、デメリット、注意点、など解りやすく書きました。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
散骨を希望する人の意外なワケとは?
近年「散骨」を希望される方が増えています。
「散骨」とは、故人の遺骨を粉状(粉骨)にして海や陸地に撒く葬法の事です。
新しい供養方法として注目されています。
では、なぜ[散骨」を希望がされる方が増えてきているのでしょうか?
そこには現代の社会情勢が大きく関係しています。
少子化や核家族化の進行で、これまでのようにお墓を建てて供養することが難しくなっているのです。
いったいそこにどんなワケがあるのか、何が影響しているのか、この記事を通して一つひとつ見ていくことにしましょう。
下記の3つの例を見てください。
①:お墓を建てても後を継ぐものがいない?
②:お墓は高く購入する事が出来ない?
③:子供に負担をかけたくないと本人が散骨を希望していた?
上記のようなワケで、お墓を建てるより散骨を希望される方が増えているのです。
では順番に見ていきましょう。
①:お墓を建てても後を継ぐものがいない?
お墓を新しく建てても、また先祖の墓を守りたくても、自分たちの後に継ぐものがいない・・・。
このような悩みを抱えている方が、今どこの家庭でも現実に起きています。
なぜなら、近年は少子高齢化に歯止めはかからず、とくに田舎の方は過疎化が進んでいくばかりです。
たとえ若者がいたとしても、都会へ出ていく人の方が多く、そちらの生活に慣れてしまえば、田舎に戻ってくることは少ないはずです。核家族も確実に進行しています。
このように、お墓を守りたくてもそれが出来にくい状況になっているのです。
散骨を希望される方が増えている背景には、このようなワケがあると言うことです。
継承者のいないお墓はやがて朽ち果てる・・・。
継承者のいないお墓はやがて朽(く)ち果てます。これは当然ですよね。
ボクはお墓が遠いので(車で約2時間)年に数回の墓参りですが、墓参りに行くたび考えさせられます。と言うのはやはり継承者がいないのでしょうね・・・。
同じ墓地に荒れたままになっているお墓を見かけるからです。そんなお墓が数基あります。
墓石はすっかり苔(こけ)むして、周りには草が生え、そのままの状態で放置されています。
とても寂しい光景です。死者を弔うはずのお墓そのものが朽ち果てているのです。
しかし、これは自分にも言える事なんですね・・・。ボクの場合も後を継ぐものがいません。
息子とむすめはいますが、二人とも都会で生活しています。なので、今のお墓は自分の代で終わる事になります。
ですから、近々墓じまいして先祖の遺骨は散骨の形をと取ろうかと考えています。朽ち果てたお墓になるのは「イヤ」ですからね・・・。
- お墓を守りたくても継承者がいない。
- 継承者がいなければお墓はやがて朽ち果てる。
②:お墓は高く購入する事が出来ない?
お墓は高いので購入する事が出来ない・・・。こう言った方は少なくないのです。
あたらしくお墓を造るとなると、その費用を捻出するのは容易ではありません。
都会となると、墓地の値段だけでもかなりの金額になってしまいます。
東京圏では「墓地」そのものを手に入れる事すら難しいそうです。
「石の品質」「墓の大きさ」「墓地の値段」にもよりますが、購入するには「150~200万円」もしくはそれ以上の費用がかかる場合もあります。。
お墓となるとどうしてもそれ位の金額になってしまうんでしょうね・・・。
もちろん場所によっては比較的安い所もあるかもしれませんが、都会ではよほどの事でない限り難しい。
経済的余裕のある方たちばかりではない
経済的余裕のある方なら「お墓を建てるならこれぐらいは当然」と思うかもしれません。
でも、そのような方たちばかりでないのが現実。一般的にはやはりお墓は高い買い物と言わざるを得ません。
ご先祖様を粗末にしようとする人など誰もいません。お墓を購入し供養したい気持ちもみな同じです。しかし、その費用を捻出するのは簡単ではないという事です。
だからこそ、経済的負担を少しでも軽減しようと、年々「散骨」や「樹木葬」を選択される方が増えているのかもしれません。
- お墓は高額、その費用を捻出するのは容易ではない。
- 経済的余裕のある方たちばかりでないのが現実。
③:子供に負担をかけたくないと本人が散骨を希望している?
代々続くお墓を受け継ぎ管理していくのは簡単ではありません。
近年は、本当に子供が少なくなっています。
たとえ男の子がいたとしても、一人っ子の場合だとお墓を維持管理していくのは想像以上に大変なことです。
その事を心配して、「もうお墓は継がなくてもいい」「墓じまいしていい」と言う親御さんまでおられます。
そういう意味もあって本人が散骨を希望しているというワケです。子どもに負担をかけたくない親の心境でしょう。
檀家(だんか)とお寺の関係にはメリットとデメリットがある?
檀家とお寺の関係には、メリットとデメリットがある事を覚えておきましょう。
お墓を受け継ぐことになればお寺との関係は当然続くことになります。
そのため、「お布施や会費、法要」などでは常に出費がかさみます。
さらに葬式となると、それなりの費用はどうしてもかかります。
そして故人に付ける「戒名料」も、寺院によって違ってくるでしょう。
上記がデメリットと言えばデメリットかも知れません。
ですが、檀家であれば、葬式や法事、その他仏事の相談に関しては優先的に対応してもらえるメリットもあるんです。
檀家さんとお寺さんとの関係はお互い様なんですよね。
- 代々続くお墓の維持管理は想像以上に大変な事。
- お寺との関係にはメリット、デメリットがある。
上述したように、お墓を建てて供養することがむずかしくなっている例を、3通り挙げました。
このような理由から、近年散骨を希望される方が増えていると言うワケです。
散骨を行う前にしなければならない事と注意点
「散骨」を行う前にしなければならない事があります。
散骨する場合は、まず遺骨を「2mm以下」の粉状(粉骨)にしなければなりません。
なぜなら「骨が大きい」と、もしそれを拾った人が警察に届けた場合、事件として取り扱われる可能性があるからです。
自分で粉骨する事は可能ですが、「2mm以下」までパウダー状にするには大変な作業です。
だいいち、骨を砕いているその光景を他人が見たら、その人はどう思うでしょう?きっといい気持はしないでしょうね・・・。
<ボクならしません> それに時間もかかるでしょう。なので粉骨は専門業者に依頼した方がけんめいです。
専門業者は機械を使うので作業も早く、また、キレイにパウダー状にしてくれますので安心です。
「陸地に散骨」する場合の注意点
「野山や森林また川」などへの散骨は、「海洋散骨」に比べるとむずかしい点が多くなってきます。
なぜなら、他人の私有地(山や森、田、畑、民家の近辺)それに「国や自治体の所有地」などがほとんどだからです。
個人で散骨する場合は撒くところを充分注意しなければなりません。トラブルになる危険性があります。
そのような意味もあって、一般的には難易度の低い「海洋散骨」を選択される方がほとんどと、言われています。
「海へ散骨」する場合の注意点
海への散骨は、陸地の散骨に比べ難易度は低い・・・と言ってもやはり注意しなければならない場所があります。
「漁場」「魚の養殖場」「海水浴場」「観光地」などです。個人で好き勝手に行うとトラブルになる場合もありますから、気を付けないといけません。
「海洋散骨」は船で沖の方まで出て行うのが一般的です。
その方法として3つのパターンと費用相場を下記に紹介します。
「海への散骨」3つのパターンと費用相場
海への散骨には、3つのパターンと費用相場がありますから、それぞれ自分の都合に合わせて選択されることをオススメします。
「散骨」には①単独散骨②合同散骨③委託散骨がある?
パターン①「単独散骨」
船を借りて一組の遺族だけで散骨を行う方法です。
距離にもよりますが、船をチャーターするので費用はやや高くなります。
「単独散骨料金」:20万~30万円が相場とされています。
パターン②「合同散骨」
複数の遺族が一つの船に乗り合わせて散骨を行う方法です。
「合同散骨」は、複数の遺族が一つの船で散骨を行いますから、船のチャーター代を分担するため割安となります。
「合同散骨料金」:10万~15万円前後が相場。
パターン③「委託散骨」
「委託散骨」は遺族の代わりに業者が散骨を行う方法です。
代理で散骨されますのでその分費用は抑えられます。遺族は乗船しません。
「委託散骨料金」:5万円前後が目安。
散骨にはメリットとデメリットがある?
散骨すると手を合わせる墓標がない?/解決策は遺灰の一部は残す事
「散骨」すると故人に手を合わせて供養する墓標がない…?
その解決策として、すべての遺骨を散骨するのではなく、遺灰の一部を残し、仏壇を設けるかまたミニ骨壺などに入れ供養することが出来ます。
一般的に行われていますので検討されるといいでしょう。
(8割の方がされているそうです)
ボクの妻は、母の遺灰を美しいコンパクトに入れて大切にしていますよ。ときどき開いては見ています。いつも母と一緒にいる・・・そんな感じですかね・・・。
<上の写真が妻の母の遺灰が入ったコンパクトです>
散骨は、はたして自然の理にかなった葬法なのか?
散骨は自然の理にかなった葬法です。
なぜなら、人工的に造られたお墓に埋葬するわけではないからです。
では、なぜ自然の理にかなっているのか、その事をもう少し分かりやすく話しますね・・・。
★ 人はみな、果たすべき課題と使命をたずさえて、「たましい」の成長のためこの世に生まれてくる・・・と言われています。
そして、ひとりひとりの課題と使命を果たし終えたとき、「たましい」は肉体という制約された衣服を脱ぎすて、あの世の本当のふるさとへ帰ります。
<・・・神の待つ「ふるさと」です・・・>
このように、課題と使命を果たし終えた「たましい」があの世のふるさとへと帰るのですから、「たましい」の去った肉体が火葬され、残った遺骨は、母なる地球の大地や海へ自然の中に還る(かえる)、このことは理にかなっているのです。
なぜなら、「人間は地球でうまれ、地球上で死んで行く」自然の一部なのだから・・・。
この世の「もの」はすべて天からの「かりもの」です。その「かりのも」を天におかえしし、本来の自分に立ち返る・・・そういう意味でもあるんです。
ですから、散骨は自然の理にかなった葬法と言えるのです。
「たましい」はあの世のふるさとへ帰り,
「遺骨は」地球の自然の中に還(かえ)る・・・です!
「散骨」に馴染めない方がまだ大半であることを忘れてはならない
「散骨」に馴染めない方がまだ大半であることを、忘れてはいけません。
なぜなら、散骨が注目され、増えつつあると言っても世の中全体まで浸透(しんとう)しているワケではないからです。
散骨や樹木葬と言う新しい葬法を選択しようとすると、快く(こころよく)思わない方がまだまだ大勢います。
古くから日本では、遺骨は骨壺に入れお墓へ納骨するのが主流でしたから当然のことです。
散骨や樹木葬を選択しようとすると、それを反対する身内や親戚との間で大きなトラブルになる可能性も出てきます。
ですから、散骨を執り行う時にはくれぐれも気を付けなければなりません。
実際ボクが以前、古くて崩れそうなお墓を新しく造り変えようとしたとき、身内や親戚とたいへんモメた経験があります。
もちろん、勝手にやろうとした訳ではなく、相談もし、費用も全部自分が持つつもりでいたのですが、それでもさんざん悪く言われましたからね・・・。
今から40年前のはなしですが・・・。
人それぞれみな価値観が違います。散骨する場合はよく相談された上で行われた方がブナンですよ。
散骨に馴染めない方がまだ大半であることを忘れてはいけません。
今回は以上です。
散骨を希望する人の意外なワケとは?:本記事のまとめ
それでは本文のおさらいです。
- 散骨供養する人の意外なワケとは?
散骨が注目されてる背景にはお墓に対するさまざまなワケがありました。
その例を3通りあげました。
- 散骨を行う前にしなければならい事と注意点
散骨を行う方法、その前にしなければならない事がありましたね。
そして、「陸地と海への散骨」の注意点もありました。
- 「海への散骨」3つのパターンと費用相場
海への散骨には3つのパターンと、費用相場がありました。
また散骨にはメリットとデメリットがありましたね。 - 散骨は果たして自然の理にかなった葬法なのか?
ここには「たましいはあの世のふるさとへ帰り」「還遺骨は地球の自然の中にる」こと、そして、「散骨」にはまだなじめない方が大半であることを書いておきました。
今回は散骨について書いてみました。また自然葬には散骨と並んで樹木葬があります。
その事については「樹木葬」種類と埋葬方法/費用相場からメリット、デメリットまでをご覧ください。
散骨とはまた違った埋葬方法が書いてありますので、参考になるかと思います。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
近年散骨の事が話題になっていますが、散骨を希望される方が、なぜ、今増えていのか知りたいです。
そして、散骨をする場合の注意点や費用相場も知りたいです。
また、散骨すると故人に手を合わせて供養する墓標がありません。そんな場合はどうしたらいいのでしょうか?
気になります。